「まさか、こんな事が・・・」
アーセレナの地質学者で、今回の第三次調査隊の一員として遺跡の調査にあたっていたレイナは、目の前で起きた信じられない出来事に思わず声を詰まらせた。
調査道具をそのままに、じりじりと後ずさりし、慌てて走り出す。
「大変だ。早く皆に知らせないと!」古代遺跡の調査開始からおよそ一ヶ月。第三次調査隊から「重要な発表がある」との連絡が届き、大陸全土が期待と歓喜で沸き立ったのも束の間、その翌日には至急の救出要請が届き、人々の間に困惑が広がった。
「一体、遺跡で何が・・・」
誰もがそう口にせずにはいられなかった。
(課題文より転載)